ボトルに入れたメッセージ


私が少年だったとき住んでいた通りで大規模な新築住宅の建設計画があって。通りの長さ
が二倍になった。これらの住宅が建設される前には土だけがあった。おそらくほとんどの
人にとっては目障りだったが自分と他の子供たちにとってはそれが私たちの遊び場であり
天国だった。

これに加えて、私の家の裏に別の建設計画があって新しいマンションや医療センターが建
設されていた。毎日、土、石、木、ガラス、セメント、泥、美しい茶色とグレーに囲まれ
ていた。私はそこに立って地面に穴を掘っている建設業者を見ていつもどの位まで掘るこ
とができるのだろうかと思っていた。

建設が終ったときがっかりした。なぜなら、遊び場とその全ての美しさが私から離れて発
掘現場にいる特別な感じも奪われたからだ。イスラエルに2週間の巡礼をした時その特別
な感じが甦った。 初めてアメリカを出て、このブルックリン・ボーイは見たことと体験
したことに文化的に驚かされたが驚嘆することも起こった。イスラエルの発掘された都会
と町はそれまで私が経験した地元の通りに比べて数千年もの歴史があり広大な規模だっ
た。その場所で私は古い泥および岩に囲まれた。全ての廃墟や放置されたものは、私に奥
深い影響を与え毎日石を集めたり壁に触れたり泥で遊んだりした。

もちろん、その時わらなかったが、それらの経験が、現在のアーティストを誕生させ。簡
単に言えば、私は古くて朽ち果てた自然に宿る物に引きよせられる。有機的なものでも、
無機的なものでも。過去10年間このテーマを探求していて今までの全ての個展のタイトル
は媒体を問わず『発掘』だ。私の『構成』は対照的な関係で作られている。例えば、共存
性や、明るさと暗さ、ハーモニーとテンション、動と静、保存と破壊などを作品に込めて
いる。

私が最初に染めた紙に書かれた手紙を使い始めたのは2006年のことだった。         こ
の『ボトルに入れたメッセージ』と言うインスタレーション作品でそのコンセプトに戻
る。以前に書いた手紙とは異なり、これらの手紙は括ってグラスボトルに入れた。各ボト
ルの手紙は私の人生にユニークな影響を与えてきた人々へ宛てたものだ。これらの人々は
家族や友人だけでなく、元教師、指導者や恋人も含まれている。しかし皮肉なことに、こ
れらの手紙を読むためには、ボトルと作品は破壊されなければならない。そのため手紙は
実際に受信者が読んだことがあるのではなく、言いたいことを伝えるための方法だ。古び
たボトルは発掘のメタファーであり実際に埋められて発掘された物として文字どおり解釈
されるべきではないのだ。

この原始的でアルカイックな作品は、ある種脆くてナイーブな感じがある。作品の要素は
共存性と不階層性の関係を共有している。一方はもう一方なしでは存在することができな
い。そして、一方は一方を変化させる。私にとってこれらの二つのものの存在が、どのよ
うに作品として存在するかまたはどのように働くかが重要なことなのだ。それが何かとい
うことは重要ではない。私の作品の対照性は対立の重要性を強調し私達に関係の性質を
いっそう知らしめる。
M  A  T  T  H  E  W     F  A  S  O  N  E
© 2016 Matthew Fasone